|いろいろな染め替えにチャレンジ| |少し変化をつけたいときは柄足しを
金箔をあしらってきものに華やぎを||着ていない訪問着を着やすい小紋に 
昔のきものを現代風にアレンジ| |若い頃のきものを地味にしたい
    
いろいろな染め替えにチャレンジ
ここでは、同じきものの地色を4タイプに染め替えてみました。
まったく同じ柄ですが、かなり雰囲気が違って見えるのではないでしょうか。
自分の気に入った加工で昔のきものが新しい一枚に変身します。
   
少し変化をつけたいときは柄足しを。
基本的には元の地色も柄も生かしたいが、柄が寂しいので少しだけ手を加えたい、というような場合は柄足しが便利です。
   
金箔をあしらってきものに華やぎを。
きものには金箔を使った技法が多くありますが、これをリフォームに
活用すれば、華やかな風情を表現できます。
金箔散らし、金砂子、小紋箔などいくつかを併用すればとてもゴージャスな一枚に。
渋いきものには少し鈍い色の金というように、雰囲気に合った色と技法を
駆使して重厚感を強調します。
秋草を表した京友禅のきものは、優しげなタッチでよいのですが、もう少し華やいだ雰囲気を演出したいのであれば、金箔加工を。ほんの少しでも大きな効果が 左のきものに金箔加工を施した前柄の一部。柄の地あきの部分に金箔を散らし、一部の花は糸目を金で伏せています。散らした金はぼかすように表現するなどして、きものの従来の持ち味は損ねないようにしながらも、かなり華やいだ雰囲気に生まれ変わりました。

着ていない訪問着を着やすい小紋に。
飽きてしまってもう着ない、重めの訪問着なのでなかなか着る機会がない、などのきものは、思い切ってまったく
違った一枚に染め替えてみるのも楽しいのでは。
ここでは、フォーマルな訪問着をカジュアルな小紋に染め替えてみました。
元のきものを色抜きしてから、比較的濃いめの地色で型染を施します。
フォーマル感漂う訪問着ですが、派手に感じるようになると着る機会が減ってくるのでは。淡めの色ですが、一度元の色をできる限り抜いて、白生地に近い状態にします。  
昔のきものを現代風にアレンジ。
ここでは、デザインには手を加えず柄部分の色替えと金加工のみで現代風な表情に作り変える方法を。
クラシカルな柄には違いありませんが、古臭さを感じさせる原因は柄の配色。その部分のみの色替えを施します。必要最低限の加工で大きく変化させることも、ルフォームの大事なテクニック   霞の部分のシックなベージュ系の色をメインに、洗練された配色で柄の部分を彩色し直しました。また、部分的においた金箔が、メリハリをつけると同時に華やかなムードを。
若い頃のきものを地味にしたい。
色無地などは年を重ねても着られる色に染め替えを。
また、留袖や訪問着は地色が年齢を感じさせなければ、柄の彩色をし直してシックな感じにすればいいのです。
ここでは、総柄のきものを地味にします。
このような総柄のきものを地味にする簡単な方法は、濃い色の錐彫り(きりぼり)風の柄を上から染めること。今回は濃鼠の鮫小紋柄 全体に濃いグレーの鮫小紋柄をかけて、すっかり落ち着いた風情になった総柄のきもの。遠目には一見、織りのきものと見まちがうほど渋くなりました。